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初心者カメラ講座

公開日:2015.03.10 更新日: 2017.06.11

焦点距離と画角の関係。35mm換算とは結局何なのか。

焦点距離が変わると写真に写る範囲が変わります。今回はそのメカニズムの解説です。

特に今回重要なのは『画角』という言葉。焦点距離を理解する上で欠かせない要素です。

知ったからといって写真がうまくなるわけではありませんが、理解していればレンズの選択や構図を決めるときに役に立つことはずです。

焦点距離が変わると写る範囲が変わる

まずは3枚の写真を見てください。どれも同じ場所で撮影したもので、APS-C機を使い、焦点距離だけを18mm、55mm、135mmと変えて撮っています。

※焦点距離以外の設定(絞り・シャッタースピード・ISO)は同一ですが、三脚を使用していないので、若干のずれはご容赦ください。

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サンプルは熊本城です。かっこいいですね。

このように焦点距離が変わると写る範囲が変わります。焦点距離が長いほどズームアップした写真を撮ることができます。

焦点距離が変わるとなぜ写る範囲が変わるのか

焦点距離と画角

lecture_35mm_01

焦点距離とはレンズからイメージセンサー(撮像素子)の距離を指します。

※厳密には焦点距離というのはレンズを通った光が収束するまでの距離を指します。この距離がレンズからイメージセンサーの距離になったときにピントが合います。通常はピントが合った状態で撮影するので、レンズからイメージセンサーの距離=焦点距離となるのです。

カメラのレンズというのはこのように単純ではなく、複数のレンズから構成されています。今回は焦点距離のイメージをわかりやすくするため、図は1枚のレンズで説明しています。

それでは次に焦点距離が変わると、どのような現象が起きているかを見てみます。

lecture_35mm_02

レンズの右側の三角形の内側が写真に写る範囲になります。桜の木を撮った場合は、右の四角形のイメージで切り出されます。

イメージセンサーにはこの像が写し出されて、それを写真として保存しています。焦点距離の長い方が、写し出される範囲は狭くなっていますね。すると結果としてズームアップした写真が出来上がります。

焦点距離が変わると、三角形の角度が変わります。これが画角です。

lecture_35mm_04

レンズを中心に置き、画角を比較してみました。焦点距離が短いと画角が大きくなり、焦点距離が長くなると画角は小さくなっているのがわかるかと思います。

イメージセンサーによっても画角が変わる

イメージセンサーのサイズ

イメージセンサーにはサイズごとに規格があります。一眼レフだと「35mmフルサイズ」、「APS-C」がよく使われます。フルサイズはプロ仕様~ハイアマチュアモデル、APS-Cはハイアマチュアモデル~エントリークラスが多いです。

他にも「マイクロフォーサーズ」や「1型」、「2/3型」などと呼ばれるものもあります。

イメージセンサーの大きさが違うとどうなるのか。見てみましょう。

イメージセンサーと画角

lecture_35mm_05

焦点距離は同じでも、イメージセンサーが大きくなると、画角は広くなっていますね。逆にイメージセンサーが小さくなると画角は狭くなります。

これが実に大事なことなんです。

35mm換算

もう一度、図をよく見てください。焦点距離は変わっていませんよね?イメージセンサーのサイズが変わっても焦点距離は変わりません。変わるのは画角です。

レンズの基礎知識でもチラっと書きましたが、50mmのレンズが標準レンズというお話。これはフルサイズ機での画角です。イメージセンサーが小さくなれば画角は狭くなります。

そこで35mm換算という言葉が登場します。

フルサイズ機とAPS-C機では同じレンズを使用しても画角が変わります。APS-C機で撮影した写真と同程度の画角をフルサイズ機で得るには焦点距離が1.5倍(キヤノンだと1.6倍)のレンズが必要になります。50mmのレンズであれば35mm換算で75mm相当の画角になるとなるわけです。

3種類の画角

イメージセンサーは長方形です。イメージセンサーの大きさのところで書いたとおり、センサーが大きくなれば画角は広がります。ということは縦と横では画角が変わりますよね。

縦の画角を『垂直画角』、横の画角を『水平画角』、そして対角線の画角を『対角画角』と呼びます。一番大きいのは対角画角です。次に垂直画角、水平画角となります。

書きましたけど、そういうものがあるよってぐらいで大丈夫です。焦点距離が○○mmの時、水平画角は△△度で…なんて数字までしっかり覚える必要はありません。

おまけ:35mm換算と実焦点距離

だいぶマニアックな話になってきましたね。書いてる私は楽しいですが、伝わってます?大丈夫ですかね?もう少しだけマニアックなお話にお付き合いください。

レンズの焦点距離は写真のボケに影響してきます。

焦点距離が伸びるとボケは大きくなります。50mmのレンズを使い撮影した場合、フルサイズ機とAPS-C機では見かけの焦点距離は変わりますが、実際の焦点距離(実焦点距離)は変わりません。つまり、同じレンズを使えばボケ具合は一緒です。画角は違いますけども。

コンデジの場合はさらにイメージセンサーが小さくなります。1/2.3型というセンサーの場合35mm換算の焦点距離が50mmとなっていても、実焦点距離は9mmになります。実焦点距離が短いため、ボケにくいとなるわけです。

今回のまとめ

焦点距離と画角の話は難しいですね。ただこれを理解していれば、自分のカメラでこういう写真が撮りたい!というときに、どういうレンズが必要なのかというのが把握しやすくなります。

ちなみにですけど、この記事書くのに3日間かけてます。頭では理解してるつもりでも、言葉にしようと思うとなかなかうまく書けなくて書いたり消したりを繰り返していました。

やっと書き終えてすっきりしました。

それではステキなカメラライフを!あめたま(@ametama_l2l)でした。

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